「日傘男子」を研究してみて(日傘論文要約文のご紹介)

昨年、こちらのブログで「日傘使用についての調査」アンケートにつき、広く皆様にご協力いただきました。

お忙しい中、アンケートのご回答につき、沢山の方々にご協力を頂き、重ねて御礼申し上げます。

さて、同アンケートのご協力を皆様にお願いするきっかけとなりました学生さん(個人情報保護の観点より、以下K.K様と表記させていただきます)より、先日無事卒論がまとまり、提出ができたとのご報告と共に、その論文を要約した文書をご寄稿いただきました。

当協会理事一同、K.K様のご報告を心よりうれしく思っております。

要約文のご紹介をK.K様よりご快諾を頂きましたので、以下にて、公開させていただきます。

なお、当要約文は、サイトでの読みやすさを考慮し、フォントサイズや改行などを一部編集させていただきましたが、内容に関してはご寄稿そのままです。


(京都大学文学部社会学専修 K.K様 ご寄稿)

ジーワジーワ。  

 

蝉の鳴き声がうるさく響き、陽射しが肌を焦がすほどに暑い夏の日。  

 

日傘を差して歩いていると、自分の他に日傘を差している男性を見かけることは少ない。

私は体質のために日傘を常日頃から差していますが、周囲に日傘を差す男性はいません。

 

環境省の調査(2018)によると、女性の約70%が日傘を使用すると答えたのに対し、男性はわずか約14%だったそうです。

 

日傘はこんなに素晴らしいものであるのに、男性が使用しないのはどうしてだろう、「男らしさ」という考えと何か関係があるのだろうか、と言った疑問から私の卒論は始まりました。

日傘と男性との関係の歴史は、実際の所、かなり古くから続いています。

 

例えば、三千年以上前のエジプトの壁画には日傘を従者に差し掛けさせている男性の姿や、傘の形をした主権の意を示すヒエログリフが見られています。

 

近年でも、100年ほど前には日傘は男性の憧れのシンボルだったこともあります。

 

しかし、そのたびに男性と日傘の関係は衰退していきます。

 

詳しい話は「「日本日傘男子協会」様(https://www.higasadanshi.com/)や「洋傘タイムズ」様(https://www.kasaya.com/times/index.htm)のHPなどに載っているので、読んでみると非常に興味深いですよ。

この日傘と男性の関係の歴史の中で、私は「男子」という名称から「日傘男子」という言葉に注目してみました。

 

「日傘男子」という言葉の移り変わりを研究していくと、日傘と「男らしさ」の関係性、さらには日本人の「男らしさ」に対する考え方というものが見えてきました。

 

その一部を、このコラムでは簡単に紹介したいと思います。


まず、「日傘男子」という言葉ができるまでについて。  

 

「日傘男子」という言葉はだいたい2010年に生まれたとされるのですが、それまでの日傘男子は不遇の扱いを受けていました。   

 

戦時教育の影響で「大和魂」「男らしさ」というものが強調されるようになり、軍人が傘を差さないことなどから、男性と日傘は引き離されて考えられるようになりました。

 

また、欧米から「ヘルシーでセクシーな日焼け文化」が輸入されたことも、「日傘=軟弱、男らしくない」といった風潮に拍車をかけたのかも知れません。

 

「男らしさ」という言葉から脱却しようとする試みは1990年代のメンズリブ運動などからようやく本格始動したこともあり、この時代の男性は「男らしさ」に固執していたと考えられ、日傘と男性の間に大きく溝が出来ていました。

そして、2010年、「日傘男子」という言葉が生まれてからについて。  

 

2000年代後期の「草食系男子」に始まる「〇〇系男子」の流行を受け、「日傘男子」という言葉が生まれました。

 

この非常にキャッチーな言葉が生まれたことで、これまで関係性に乏しかった日傘と男性がつながったのです。

 

この流れは、次第に2010年代半ばの「ジェンダーレス男子」の波に乗り、広がりを見せました。  

 

この時代、ジェンダーが大きく取り上げられるようになりました。

 

従来の「男は美に関わらないもの」という性役割観が薄まり、「男らしい姿勢で美を磨く男性」が人々に受け入れられるようになり、日傘も男性の間で受け入れられるようになったのです。

 

「日傘男子」という言葉の誕生は、従来の男性の「男らしさ」から抜け出そうとする動きを捉えたものであったと思います。

最後に、「日傘男子」ということばのこれからについて。  

 

現在、「日傘男子」という言葉は新たな局面を迎えようとしています。  

 

ジェンダー思想が日本でも展開を広げ、「男子」という言葉が合わなくなってきたと考えられたのです。

 

日本日傘男子協会は新たに「パラソリスト」という言葉を作り、門戸を広く開けようとしています。  

 

実際はこれらの言葉はどのような印象を抱かれているのでしょうか。

設問
「あなたは“日傘男子”と“パラソリスト”という言葉では、男性に日傘を普及させるのにどちらの方がより効果的だと考えられますか」
(回答数200)

私の独自のアンケート調査では、「日傘男子」が人気で、特別な言葉はいらないと回答する人も多かったです。  

 

これらのことから、「日傘男子」という言葉はまだまだ健在だということがわかります。

 

反対に「パラソリスト」が少なかったのはまだまだ知名度が足りなかったためでしょう。  

 

同時に、「特別な言葉は不要だ」と回答した人が多かったことから、かつて「男らしさ」という言葉から脱却しようとしたように、「日傘男子」「パラソリスト」のような枠組みから脱却し、多様性を求めようとしていることがわかります。  

 

「日傘男子」の一番の目的は、「男性が日傘を差していても特別ではない社会」です。

 

そう考えると、「特別な言葉は不要だ」という意見は、男性の日傘が何ら特別ではないと言っているようにも思え、理想の実現に近づいているように感じます。  

 

かつてのジェンダー・イデオロギーは衰退し、ジェンダー・フリーが求められ、日傘は「男らしさ」ではなく「自分らしさ」を問題とするようになっています。

このように、「日傘男子」という言葉からは、現在の日本人のジェンダーに対する考え方を読み取ることが出来ます。  

 

私はジェンダー・フリーを達成するために、「男らしさ」も「女らしさ」も両方受け入れることが大切だと思っています。

 

「日傘男子」を通じて、男性が見た目に関して、性差関係なく自分の理想を追い求めることが出来るような時代になってきたと感じました。

「日傘男子」とは「自分らしさの追求」  

私はそう結論づけます。

 

皆さんも一度日傘を試してみては?

(ご寄稿はここまで)

■#日傘男子SNSキャンペーン2020 日傘男子協会賞 受賞作品より


今日は日傘男子に関する論文の要約文(ご寄稿)をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

また何かご質問やご意見等がございましたら、当ページの1番下にあるお問い合わせフォームよりどうぞお気軽にお寄せくださいね。

 

(この記事の編集および加筆は、日本日傘男子協会理事兼日傘男子サポーター:柴田民緒が担当しました)

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一般社団法人 日本日傘男子協会は、「日傘男子」を日本発の世界に誇れるカルチャーとして広く周知しその認知度を高め、男性用日傘とその愛好者を増やすことを目指し普及啓蒙活動を行うとともに、環境省、男性用日傘メーカー、ユーザー(日傘男子)、自治体、各地の普及活動団体、国内外のメディア等をはじめとする会員と相互に連携協力し、熱中症等の環境問題の解決の推進を図り、もって世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献することを目的としています。